最初

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
「ふぁ~~~~、不時着ポイントからヘビースター走らせ、かれこれ10日か・・・」
 
 
 
 
ププビレッジ郊外にて、鈍重かつ無骨なデザインのエアライドマシンを駆る3人組の男たち。
いずれも一頭身の黒い球体で、背中には風呂敷に包まれた大きな荷物を背負っている。
 
 
「もうちょっと運び方考えようぜ、排気筒で焦げる」
「うるせぇ」
 
 
それぞれ色の異なる目つきの悪い一つ目が前方を見据えている。
乗り心地が宜しくないのか、手足の無い体でしがみつく様に座っていた。
 
 
「何たってウワサのカービィ様とやらも、こんなド田舎に身を落ち着かせたんだろな~」
「あれだろ、今はやりの田舎ブームってやつだろ?」
「でもよ、あのエヌゼット大財閥が最近、惑星ぐるみの大規模な開発行ってるんだってよ」
「げ、マジかよ!?どんだけ規模でかいんだよその財閥!!」
「何でも、資産が軽く『亥』超えてる・・・・・・」
「ブフォッ!!!」
 
 
「わ、馬鹿!ハンドル放すなってのリムラ!!」
 
 
「え?やべ!!」
 
 
3人組の一人、ダーク・リムラがうかつにハンドルを放したため、ヘビースターは高台から砂浜めがけて転がり落ちそうになった。
 
 
「「て め え!!!」」
「まあまあ」
「うるせぇ!」
「っでぇ!!この野郎ぉ、マジ殴りとか無ぇーわ!!」
 
 
いい加減な性格の彼には、ダーク・リムル、ダーク・リムロの二人もほとほと手を焼いていた。
リムラが反撃しようとした時、ヘビースターに異変が起きる。
マシンは見る見るうちに速度を落とし、完全に停止。
いくら車体を叩けど動かない。
燃料切れ。
砂浜の上でヘビースターは立ち往生してしまった。
 
 
「チャージ切れた!!」
「プッシュすれば良くね?いつも通りに」
「おう、早くしろよ・・・・・・・・・んあ?」
 
 
 
突然、リムルが何かに気づいた。
 
 
「「どした?」」
「あれ」
リムルは背中に収めていた槍で、遠くに見える巨大な建造物を指した。
 
 
 
「「あ・・・・・・」」
 
 
 
遥か遠方、丘の上に聳え立つ古びた城砦。
 
 
「馬鹿でかい城・・・・・・あれだよな、プププランドって」
「そうなるな。あれが一番の目印なんだから」
 
 
ヘビースター再び起動、目的地へ向けて進路を取る。
 
 
 
 
「んじゃ、カービィとやらの面でも拝みに行くか」
 
 
 
 
 
 
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